「取引所FX(くりっく365)」とその活用方法について

1.「取引所FX(くりっく365)」とは

東京金融取引所は、「デリバティブの総合取引所」として、金利分野の「無担保コールオーバーナイト3カ月金利先物(略称: TONA3ヵ月金利先物)」、為替分野の「取引所為替証拠金取引(愛称: くりっく365)」、株式分野の「取引所株価指数証拠金取引(愛称: くりっく株365)」、を取り扱っております。

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「くりっく365」は、外国為替を対象としたデリバティブ取引で、証拠金を預託することによりレバレッジを掛けて、為替差益を狙う金融商品です。

その特徴は、大きく2点挙げられます。

  • 外国為替の取引価格 (直物) を対象に、一定の証拠金を預託することにより取引ができ、さらに、その預託した証拠金以上の金額を取引することができるレバレッジ取引であること
  • 実際の外貨 (現金) を受け払いは行わず、為替変動 (取引価格) の差分 (損益) のみを受け払いする差金決済取引であること

FX取引は、相対取引の店頭FXと取引所取引である「くりっく365」に分かれますが、FX取引の市場規模は、金融先物取引業協会によると2022年に1京2,074兆円と過去最大を更新しました。

2.「くりっく365」の特徴

①価格提供の仕組み(マーケットメイカー制度)

「くりっく365」は、外国為替市場における複数の主要金融機関 (マーケットメイカー) から価格の提供を受け、この中から、その時点において投資家に最も有利になる価格をシステムで自動的に合成し、そのままの価格で取引参加者を通じて投資家の皆様に提示しています。

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②豊富な流動性(提示された数量)を明示

「くりっく365」では、価格と取引可能数量をリアルタイムで表示しています。豊富な流動性を提供できるのは、多くのマーケットメイカーがサポートしているくりっく365の特徴です。

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③証拠金は全額東京金融取引所へ

「くりっく365」は、取引参加者と呼ばれるブローカーを通じて注文を発注しますが、取引参加者は法令により、投資家の皆様からお預かりした証拠金の全額を、東京金融取引所に預託することが義務付けられています。

 預託された証拠金は全額東京金融取引所が保管しており、取引参加者が万一破綻したような場合でも、皆様の証拠金は原則として、保全される仕組みになっています。

3.「くりっく365」の商品概要

「くりっく365」は、25通貨ペア(対円14通貨ペア/非対円11通貨ペア)と、取引単位を10倍にしたラージサイズ5通貨ペアの合計30通貨ペアが取引可能で、取引時間はほぼ24時間、日本の祝祭日も取引可能です。

取引単位は1万通貨単位から10万通貨単位です。米ドル/円の場合、最小刻み幅は0.005、最小変動幅相当は50円になります。

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価格を提示するマーケットメイカーは、外国為替市場における主要金融機関の6社が名を連ねています。

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「くりっく365」はこれらマーケットメイカーから価格の提供を受け、この中から、その時点において投資家に最も有利になる価格をシステムで合成し、そのままの価格で投資家の皆さまに提示しています。

4.「くりっく365」の活用例

米国株や米国債等外貨建て投資にあたっては、投資商品の価格変動リスクに加えて、米ドル/円などの外国通貨との「為替変動リスク」も生じます。そこで、この「為替変動リスク」をFX取引によって、ヘッジ・減殺する活用例をここでご紹介します。

以下は、米国株への投資を例にご紹介します。

投資家A氏は米国株Zの購入を検討しています。

ただし、米国株Zの購入後に、米ドル/円の為替レートが円高に推移し、米国株Zによる円建て投資収益が為替差損によって減少することを懸念していました。

そこでA氏は、Z株(1株100米ドルとします)を100株購入すると同時に、FXで株式購入金額と同額の「ドル売り/円買い」の取引を行うこととしました。

Z株: 100米ドルx100株=10,000米ドル

Z株を100米ドルで100株購入した場合の購入代金: 10,000米ドル

(なお、ここでは株式売買に係る手数料等を考慮しないものとします。以下同じ)

このとき、米ドル/円の為替レートが145円だったとすると、円貨ベースでは

10,000米ドルx145円=145万円

の投資となります。

Z株購入のタイミングで、「くりっく365」で米ドル/円を145万円分の売りを行います。

145万円÷145円=10,000米ドル

「くりっく365」のドル円は最低取引単位が1万通貨ですので、「くりっく365」でドル円を1枚売り建てることにより、145万円分の米ドル売り/円買いのポジションとなります。

その後、Z株は20米ドル上昇し、A氏は利益を確定するため保有するZ株を全て売却したとします。

Z株: 120米ドルx100株=12,000米ドル

このとき、円建ての収益状況を見てみましょう。

米ドル円の為替レートがZ株購入時の1ドル=145円で変わらなかった場合、

120米ドルx100株x145円=174万円

しかし、仮に米ドル円のレートが140円と5円の円高となっていた場合は、

120米ドルx100株x140円=168万円

となります。

為替レートが変動しなければ174万円の利益でしたが、168万円となり、結果として6万円分の利益が得られませんでした。株価は20%上昇しましたが、為替変動により、得られた利益は15.8%に減少してしまったことになります。

では、「くりっく365」を使った場合、為替変動による影響をどの程度抑えることができるかを見てみましょう。

Z株での売買損益:

売却金額: 120米ドルx100株x140円=168万円

購入金額: 100米ドルx100株x145円=145万円

Z株による差損益は23万円で変わりません。ただし、為替変動がなければ174万円であったことから、6万円の利益が失われてしまいました。

一方で「くりっく365」を見てみると、

「くりっく365」での売買損益:

当初: 145円で売り1枚 =145円x10000通貨(1枚)=145万円

決済: 140円で買戻し1枚=140円x10000通貨(1枚)=140万円

(145円-140円) x1万通貨=5万円

「くりっく365」では、同期間において5万円の利益を上げることができたことになります。

Z株では、為替変動により6万円の差損が生じましたが、「くりっく365」を利用することで、為替レートによる変動分の6万円のうち5万円分をヘッジすることができました。

ただし、ここでは売買の手数料や売りポジションによるスワップポイントの支払い等のコストを考慮していません。また、為替レートが予想に反して円安方向に進んだ場合、ヘッジによる支払いコストが増える (「くりっく365」での損失) により、ヘッジを行わなかった場合に比べて得られる収益が減少します。

このようにFX取引は、為替変動による利益機会を狙うだけでなく、米国株などへの海外の金融商品への投資時に、その為替ヘッジとしての活用も可能です。

【取引のリスクについて】

1. 共通のリスク

(1) 価格変動リスク

対象指標である金利、通貨、株価指数等の価格または上場投資信託 (以下「ETF」) の価格の変動により損失が生じることがあります。さらに、取引金額がその取引について顧客が預託すべき証拠金の額に比して大きいため、相場の状況によっては差し入れた証拠金以上の損失が発生する可能性があります。また、「くりっく株365」の価格は現物の株価指数やETFの価格そのものではないため、需給関係、相場の状況等によっては乖離が拡大し、その結果、現物の株価指数やETFの価格から想定していた価格で取引ができないなどの不利益を被る可能性があります。

(2) 信用リスク

TFXでは、投資家の取引を受託する取引参加者に対しTFXが取引の相手方となる「清算制度」を導入しており、投資家の証拠金は、全額TFXが分別管理しているため、原則として全て保全されます。しかし、取引参加者等の信用状況の変化等により支払いが滞ったり、取引参加者が破綻した場合には、返還手続きが完了するまでの間に時間がかかったり、その他不測の損失を被る可能性があります。

(3) システム障害リスク

 

TFXおよびTFXの取引参加者のシステム、または投資家、取引参加者、TFXの間を結ぶ通信回線等に障害が発生した場合等には、相場情報等の配信、注文発注・執行等が遅延したり、不可能になることがあり、その結果、不測の損失を被る可能性があります。

(4) 税制・法律等の変更リスク

税制・法律またはその解釈等が将来変更され、実質的に不利益な影響を受ける可能性があります。

2. リテール向け商品におけるリスク

(1) 金利変動リスク

「くりっく365」や「くりっく株365」に係る円貨・外貨の金利水準が変動すること等により、「くりっく365」のスワップポイントや「くりっく株365」において保有するポジションの金利相当額について、その受取額が減少したり支払額が増加する可能性があります。

また、「くりっく365」において、ポジションを構成する2国間の金利水準が逆転した場合等は、それまでスワップポイントを受け取っていたポジションで支払いが発生する可能性があります。その他、一部通貨については、外国為替市場における当該通貨の需給関係等の影響を受けて、金利変動によらずに、スワップポイントの増減や受払いの逆転が生じたり、場合によっては、金利の高い方の通貨の買いポジションでスワップポイントの支払いが生じる可能性もあります。

(2) 流動性リスク

「くりっく365」及び「くりっく株365」では、マーケットメイカーが買呼び値及び売呼び値を提示し、それに対して投資家がヒットをして取引が成立する方式を取っています。そのため、状況 (天変地異、戦争、政変、各国の法制や金融為替政策・規制の変更、株価指数の構成銘柄を上場する各取引所の制度変更、当該指数を原資産とする先物取引に係る取引制限、各国の商品市場等に係る政策・規制の変更、ETFを上場する各取引所の制度変更・取引制限、ETFに関連する商品先物取引に係る取引制限、情報配信の遅延・停止、相場の激変等) によって、マーケットメイカーによる買呼び値や売呼び値の安定的、連続的な提示が不可能または困難となることがあり、その結果、想定する価格で取引ができないなど、投資家にとって不測の損失が生じる可能性があります。 また、「くりっく365」の一部通貨において母国市場等の休業の場合には臨時に休場することがあります。更に、当該国の為替政策・規制による他通貨との交換停止や外国為替市場の閉鎖の措置がなされるなどの特殊な状況が生じた場合には、特定の通貨ペアの取引が不能となる可能性もあります。

なお、平常時においても流動性の低い通貨、株価指数やETFの取引を行う際には、希望する価格での取引ができないなどの不利益を被る可能性があります。

3. 「くりっく365」におけるリスク

(1) コンバージョンリスク

クロスカレンシー取引においては、決済が当該通貨ではなく、円貨でなされることから、決済時に当該通貨の為替リスクの他に円との為替リスクがあります (コンバージョンリスク) 。

 

CQGを使った「取引所FX(くりっく365)」の取引について

CQGを使って「くりっく365」を取引する際には、日産証券にて口座を開設して頂く必要がございます。

CQGの取引ツールは、取引、マーケットデータ、チャート、相場分析のすべての機能を提供します。お客様が必要な機能を選んで画面に表示させることができ、機能それぞれの大きさや配置もカスタマイズすることができます。

また、カスタマイズした画面はCQGのクラウド上に保存されるため、会社と在宅勤務など、別の端末をお使いの際も同様の画面をご利用いただけます。

CQGの取引画面イメージ

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①板画面

ボタン操作で成行、指値、逆指値注文発注できるほか、板画面を直接クリックすることでも発注可能です。また、板画面の他にも様々な発注機能レイアウトがございます。

オーダーチケット

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スプレッドシートトレーダー

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②相場表

4本値や買い気配、売り気配など、必要な情報を選んで表示でき、配置も自由にカスタマイズできます。作成した相場表は他のユーザーに共有することも可能です。

 

③チャート

日中足であれば3か月前、日足以上であれば3年前までのヒストリカルデータが閲覧可能です。チャートタイプは13種類、テクニカル指標とポインターツールは42種類ございます。

 

④注文情報

現在の建玉、注文、キャンセル注文、約定注文など、用途に合わせた注文情報を表示する機能がそれぞれございます。注文情報をCSVとして出力することも可能です。

チャートや板画面などの銘柄を切り替える際に、CQGでは独自の銘柄コードを利用しています。

取引所FX(くりっく365)コード一覧

米ドル/円

NIUSDJPY

ユーロ/円

NIEURJPY

英ポンド/円

NIGBPJPY

豪ドル/円

NIAUDJPY

スイスフラン/円

NICHFJPY

カナダドル/円

NICADJPY

NZドル/円

NINZDJPY

南アフリカランド/円

NIZARJPY

トルコリラ/円

NITRYJPY

ノルウェークローネ/円

NINOKJPY

香港ドル/円

NIHKDJPY

スウェーデンクローナ/円

NISEKJPY

メキシコペソ/円

NIPHPJPY

ポーランドズロチ/円

NIPLNJPY

ユーロ/米ドル

NIEURUSD

英ポンド/米ドル

NIGBPJPY

英ポンド/スイスフラン

NIGBPCHF

米ドル/スイスフラン

NIUSDCHF

米ドル/カナダドル

NIUSDCAD

豪ドル/米ドル

NIAUDUSD

ユーロ/スイスフラン

NIEURCHF

ユーロ/英ポンド

NIEURGBP

NZドル/米ドル

NINZDUSD

ユーロ/豪ドル

NIEURAUD

英ポンド/豪ドル

NIGBPAUD

米ドル/円ラージ

NIUSLJPY

ユーロ/円ラージ

NIEULJPY

英ポンド/円ラージ

NIGBLJPY

豪ドル/円ラージ

NIAULJPY

ユーロ/米ドルラージ

NIEULUSL

  • 口座開設は日産証券にご相談ください
    お問い合わせ先: infogs-g@nissan-sec.co.jp

     

  • CQGのサービスにつきましては、弊社までご相談ください
    営業担当 (関) : yoko@cqg.com / salestok@cqg.com
    050-3198-9966 音声ガイダンスのあとに、1番を押してください

 

免責事項

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お客様が動画の内容に基づいて行われる取引、及びその結果について、一切の責任を負うものではありません。

動画でご紹介の商品の取引をされる場合は、商品の性格や仕組みを十分にご理解いただいた上で、

お客様ご自身の責任と判断のもとにおいて行なっていただきますようお願いいたします。


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