CQGでUSDAデータを閲覧する-CQG Integrated Client/CQG QTrader編

CQGは、米国農務省(USDA)から毎月提供される世界農業需給推計レポート (WASDEレポート)データを提供しています。世界及び主要国の穀物需給をまとめたこのデータは、穀物銘柄の価格動向を理解するための重要な情報となります。

本記事では、CQG Integrated Clientおよび、CQG QTraderでUSDAデータを検索、閲覧する方法をご紹介します。

USDAデータの検索方法

CQGでこれらのデータを閲覧する際は、まず画面上の「Symbols」>「Symbol Search」をクリックし、Symbol Search画面を開きます。

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開いた画面左側の「USDA-WASDE」を選択すると、WASDEレポートデータ一覧が表示され、さらに画面左上の検索ボックスからキーワードで絞り込むことも可能です。

検索結果の「Symbol」または「Short Symbol」のコードをチャートや相場表に入力すると、対象のデータが表示されます。

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USDAが公表している情報は多岐にわたりますが、市場関係者は主に期末在庫、収穫面積(アメリカ合衆国のみ)、生産量、輸入量、輸出量といった情報に注目しています。

以下は、世界、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジルにおける上記情報を表示するコードになります。

とうもろこし

 世界アメリカ合衆国カナダブラジル
期末在庫(Ending Stock)WCRSUWESWCRSUUSESWCRSUSOCAESWCRSUMEBRES
収穫面積(Area Harvested) USCRSUAH  
生産量(Production)WCRSUWPDWCRSUUSPDWCRSUSOCAPDWCRSUMEBRPD
輸入量(Imports)WCRSUWIPWCRSUUSEXPWCRSUSOCAIPWCRSUMEBRIP
輸出量(Exports)WCRSUWEXPWCRSUUSESWCRSUSOCAEXPWCRSUMEBREXP

大豆

 世界アメリカ合衆国カナダブラジル
期末在庫(Ending Stock)WSBSUWESWSBSUUSESWSBSUSOCAESWSBSUMEBRES
収穫面積(Area Harvested) USSBSUAH  
生産量(Production)WSBSUWPDWSBSUUSPDWSBSUSOCAPDWSBSUMEBRPD
輸入量(Imports)WSBSUWIPWSBSUUSEXPWSBSUSOCAIPWSBSUMEBRIP
輸出量(Exports)WSBSUWEXPWSBSUUSESWSBSUSOCAEXPWSBSUMEBREXP

小麦

 世界アメリカ合衆国カナダブラジル
期末在庫(Ending Stock)WSBSUWESWSBSUUSESWSBSUSOCAESWSBSUMEBRES
収穫面積(Area Harvested) USSBSUAH  
生産量(Production)WSBSUWPDWSBSUUSPDWSBSUSOCAPDWSBSUMEBRPD
輸入量(Imports)WSBSUWIPWSBSUUSEXPWSBSUSOCAIPWSBSUMEBRIP
輸出量(Exports)WSBSUWEXPWSBSUUSESWSBSUSOCAEXPWSBSUMEBREXP

上記の他にも、USDAは以下のような様々なデータを提供しており、Symbol Searchにて検索する穀物と括弧内のキーワードを入力することで当該コードを検索できます。

1エーカー当たりの収穫量(Yield/harvested acre)

1エーカー当たりの穀物生産価格(Variable cost of production)

貯蔵/生産比率(Stocks/use ratio)

食料・種子・工業原料向け [FSI] 需要量(Food, seed, industrial)

利用例・サンプルページ

例えば大豆(下図青線、コード:WSBSUUSES)、大豆ミール(下図緑線、コード:WSBMSUUSES)、大豆油(下図紫線、コード:WSBOSUUSES)の期末在庫量チャートを重ねて表示することで、各穀物が過剰供給であるか、在庫不足であるかの判別材料とすることができます。

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チャートの重ね方については、こちらの動画で解説しています。

以下のグラフはとうもろこしの作付面積(黄土色線、コード:USCRSUAP)と小麦の作付面積(ピンク線、コード:USWSUAP)を重ねて表示しています。

アメリカのとうもろこし及び大豆農家は、とうもろこしと大豆における作付面積を比較、または両者における先物価格を見て次のサイクルで栽培する穀物を決めることもあります。

一般的にとうもろこしの作付面積は大豆の2-3倍と言われており、これらを比較することで将来的な値段予測の判別材料とすることができます。

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以下のサンプルページはCQG Integrated Clientおよび、CQG QTraderで利用可能で、記事最後にあるPACファイルをダウンロードすることでご利用いただけます。PACファイルのインストール方法につきましては、こちらをご参照ください。

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サンプルページの左上にある相場表からは、とうもろこし、大豆、小麦における全世界、米国、中国の期初在庫、期末在庫、生産、輸入、輸出のデータを閲覧できます。

タブに記載された穀物名を切り替えることで、対象の穀物における上記情報を閲覧できます。

その下にあるチャートは上記相場表とリンクしており、対象情報をクリックするとその月足チャートを表示します。

サンプルページ右側にある相場表からは、上段からCMEとうもろこし、大豆、小麦先物における4本値及び前日比を第11限月先まで閲覧できます。

その下にあるチャートは上記相場表とリンクしており、対象銘柄をクリックするとその日足チャートを表示します。

更に、その下にはフォワードカーブがあり、銘柄コード(とうもろこし:ZCE、大豆:ZSE、小麦:ZWA)を入力することで対象のフォワードカーブを閲覧できます。

また、これらのデータはExcelに転記し、自動更新させることも可能です(RTD機能)。この機能を使うには、CQG Integrated ClientまたはCQG QTraderを起動しておく必要があります。

以下のサンプルシートでは過去15年間の米国における小麦の期初在庫(青)、期末在庫(オレンジ)、生産量(緑)の年次データを表示、またグラフを表示しています。

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また、C3-5のセルに銘柄コードを入力することで、銘柄を変更することも可能です。

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