スプレッドバーチャートは、指定された時間間隔にて市場情報を収集し一定期間積み重ね、バーチャートとして出力します。このチャートを使うことで、より正確にスプレッドの値動きを把握することができます。
例として、 NY港渡しヒーティングオイル先物「銘柄コード:HOE」とWTI原油先物「銘柄コード:CLE」でクラックスプレッドを作成し、通常のチャート(図1)、スプレッドバーチャート(図3)でそれぞれ出力し比較してみます。
まず、HOEの取引単位はドル/ガロン、CLEはドル/バレルであるため、取引単位を統一する必要があります。1バレルは42ガロンですので、HOEに42を乗算しクラックスプレッドを作成「42*HOE-CLE」します。
「42*HOE-CLE」を直接チャートに入力し、30分足チャートにて出力すると図1のようになります。
(図1)
図1のチャートは終値をベースにしていますが、高値や安値を求めたい場合、図1のような通常のチャートではパラメータを変更すること自体は可能ですが、正確な値ではないため、スプレッドバーチャートを使う必要があります。
スプレッドバーチャートは、指定した時間間隔にて市場情報を収集、積み重ねてチャートを形成するため、より正確な価格推移を表示します。
チャート上部の青い部分を右クリックし、「More」>「Spread Bar」をクリックすることでスプレッドバーチャートに変更します。
(図2)
スプレッドバーチャートの形成に利用する市場情報の時間足は変更することができ、これにより更に正確な4本値の形成も可能です。
バーチャートにカーソルを置き右クリック後、「Modify SprdBar」をクリックします。
(図3)
ダイアログの「Interval」から、スプレッドバーチャートの形成に利用する市場情報の時間足を変更できます。図4の設定では、1分足の市場情報を基に30分足のバーチャートを形成します。
(図4)※D:日 W:週 Q:4半期 S:半年 A:年
図5にて、左側のチャートは1分足の市場情報を基に形成した42*HOE-CLEの30分足スプレッドバーチャート、右側は同スプレッドの1分足スプレッドバーチャートです。日本時間2023年2月10日午前8時-同日午前8時30分の価格推移を両チャートにて比較すると、1分足スプレッドバーチャートにて記録された高値(40.81)と安値(40.65)が30分足スプレッドバーチャート左下の「H(高値)」及び「L(安値)」にそれぞれ表記されていることから、これらの情報が正しく反映されていることが確認できます。
(図5)
また、チャートに直接「Bar(42*HOE-CLE,1)」と入力することで、パラメータを変更せずに上記設定のチャートを表示することもできます。「,1」は、スプレッドバーチャートの形成に利用する市場情報の時間足です。
更に、コード「Bar(42*HOE-CLE,1)」、スプレッドバーはExcelへの転記も可能です。サンプルシートは下記のリンクからダウンロードしていただけます。銘柄や時間足を変更することで、各スプレッドバー及びチャートを出力することができます。
(図6)
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